Flowers in the Room

• A BETTER WAY

2025.11.27

VOL.03

Flowers in the Room

text: SHIORI FUJII

花があるだけで、いつもの部屋の景色がぐんと楽しくなる。そうわかってはいても、飾り方に迷ってしまうという人も多いのでは?
「もっとセンスよく飾りたい」「どんな花を選んでいいかわからない」というみなさまのために、人気フラワーショップ「whole」の綱川禎子さんに、空間ごとの花の飾り方を教えていただきました。
お客さまを歓迎する気持ちを込めて、玄関に飾る花を「迎え花」と言います。最初に目に入る入り口でもあるので、特に季節感を感じる花があるといいですね。
Kaj Franckデザインのガラスベースに合わせて選んだのは、同系色のツルウメモドキと、イエローオレンジのコスモス。ファッションと同様に、同系色は簡単にスタイリッシュに見せられるので、まずはワントーンで揃えてみるといいですよ。逆にイエロー×パープルのように補色で組み合わせるのも、お互いが際立って素敵です。
フラワーベースがこんなふうに口が広い場合は、ツルウメモドキのように細くて柔らかい枝もので土台を作ってから、華奢な草花を挿していくと生けやすいはず。
朝、起きて、いちばんに向かう場所だから、気持ちをクリアに整えてくれるような花があるといいなと思います。シックな色よりも、爽やかな白やグリーン、または明るい色合いのものがおすすめ。Kaj Franckデザインの花器はスモーキーな色ガラスとミニマルなフォルムで、生ける花や飾る場所を選ばず使いやすそう。
水場に飾るメリットは、水換えがしやすいこと。常に清潔感が保てるし、こまめに水を換えると花が長持ちします。
野草のようなニュアンスがあるクレマチスシードと白いコスモスで、ナチュラルにまとめました。
もっとモダンな雰囲気にしたいときは、都会的なランなどを合わせても。白のコスモスがなければ、ラナンキュラスやスイートピー、チューリップなど春の花でも可愛いですよ。
スペースに余裕がないときは、小さなグラスを利用するのも手。こんなヴィンテージの色ガラスなら、窓辺に置くと光が透ける様子も楽しめます。
火を使うキッチンは熱がこもりやすい場所なので、熱さに強い花を選ぶことがポイント。ランやアンスリウムなど、南国で育つような種類だと安心です。料理に用いるハーブも合いますが、私ならビビッドな色合いの花を選びます。料理をするときのテンションを上げてくれる気がするから。
今日は明るい黄色のガーベラとシンビジウムを高低差をつけて生けることで、ポップなリズム感を演出しました。炊事作業の邪魔にならないよう、量は控えめにさりげなく。洗面所と同様に、水換えがしやすいのもうれしいところ。
ホリデーシーズンのテーブルに飾るなら、食事の邪魔にならない程度に大きめのフラワーベースを選んで、思い切って華やかに。Alvar Aaltoデザインの通称SAVOY VASEは、有機的な曲線が特徴。少ない本数の花をサッと活けるだけでもサマになりますが、たっぷり生けるのにも向いています。色はやっぱり、ホリデー気分を盛り上げる赤がイチオシ。
ボリュームを出したいときは、一本の茎から複数の花が枝分かれして咲くスプレー咲きのバラを選びましょう。これを先に生けてから、枝の隙間に赤く染めた枝もの(ブルーブッシュ)や、カプチーノという名前が可愛いオンシジウムを挿していき、全体のバランスを整えます。
水に浸かる部分や、混み合っている部分は剪定しますが、それらも捨てないで。小さなグラスに生けて、部屋のあちらこちらに飾ると可愛いですよ。
今回ご協力いただいたフラワーショップ "whole" のクリスマスリース
および使用している "ELEPHANT" フラワーベースは
martinique 2025 CHRISTMAS MARKETにて発売いたします。
※詳細はHP NEWSよりご確認ください。
綱川 禎子

whole 店主・フローリスト

綱川 禎子

「whole」ショップデータ
2017年4月 渋谷区富ヶ谷のワインバーの一角で週末花屋として始動。
その後2019年4月にヘアサロン「awry by the manner(アーライバイザマナー)」と併設されたフラワーショップとして実店舗オープン。
ギフトなどのオーダー以外にもウェディング装花や展示会装花、撮影のスタイリングなど幅広く活動中。
店舗ではオリジナルキャンドルや花器などプロダクトも展開する。

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