「絶景に触れる感動と、心を整える癒し旅」

• INTERVIEW for JOURNEY

2026.01.06

VOL.04
ヘアスタイリスト、TRESSEデザイナー
shucoさん

「絶景に触れる感動と、心を整える癒し旅」

Text: MIKI SUKA

9年間のパリ暮らし中は、何十カ国もの地を旅したというヘアスタイリストのshucoさん。日本にベースを移した今も、世界のどこへ行っても必ず心に残る出会いがあり、その縁はSNSを通じて大切に繋がれている。彼女が旅の醍醐味として挙げるのは、文化も価値観も異なる“未知”のなかで得る、揺るぎない気づき。自分の常識を軽やかに超えていく瞬間こそ、旅の面白さ。そんなshucoさんが選ぶ、忘れがたい旅先と記憶をひもとく。
Q. 長く暮らしたパリを旅先として振り返ると、どんな思い出が心に残っていますか?
いちばん最初に訪れたパリは、確か22歳くらいの時。“この街住めるな”って思ったんです。当時、美容室で働いていましたが、どこか海外に行きたいっていう思いはずっと持っていて。イギリスもアメリカも頭の中にありましたが、ファッションのコレクション数も多く、友達も暮らしていたので家に泊めてもらったりしているうちに、初めて旅行で訪れた翌年にはパリに暮らしていました。
Q. パリのお気に入りはどこですか?
私は11区と12区あたりに家を借りていました。そのエリアの雰囲気がすごく好きだったんです。12区にある「Place d `Aligre(アリーグル広場)」には、常設の大きなマルシェがあります。屋内と屋外の両方があるマルシェには、新鮮な野菜やフルーツなどの食材が豊富で、週末には蚤の市も開かれるんです。暮らしはじめて何年か経ったくらいにはビオワインブームが来て、若手シェフのガストロノミーが次々とできたりと、若者が集まる活気のあるエリアでした。当時は極貧生活でしたから、加工品ではない安価なオーガニック食材が手に入るのはすごく助かりました。あとパリはやはり、パンがおいしい! 老舗のパン屋さん「Du Pain et Des Idees(デュ・パン・エ・デジデ)」は、今もパリに行けば必ず訪れてしまう場所で、ここのパン・デ・ザミがすごく好きなんです。
Q. パリを拠点に、どこか小旅行にも出かけましたか?
ヨーロッパは移動が楽なので、プライベートではバルセロナにはよく行きました。海もすぐ近くにあるし、おいしいレストランもたくさんあって。いつも天気がいいので、ちょこちょこ小旅行に行きました。雑誌やカタログの仕事をするようになってからは、20カ国以上は行ったと思います。南アフリカやチュニジアのスタジオへも訪れましたし、水着撮影では地中海の島、サン・バルテルミー島やポルトガルなど、素敵なロケーションによく連れて行っていただきました。

Q. 東京に拠点を移された今でも、パリへはよく行かれるのですか?
はい。今もパリに行きますが、旅行という感覚より“戻る”という感じです。夢を追いかけていた原点の街は、気持ちをリセットできる場所なんです。何度訪れても、パリには綺麗だなって思う瞬間があって、今はもう私の日常ではなくなってしまった街を改めて歩いてみると、当時のがんばっていた自分をすごく思い出せるので、初心に戻れる大切な場所です。
Q. リゾートで、好きな場所はありますか?
少し前に訪れたバリ島はすごくよかったです。街中でもレストランでも、現地の人がすごく優しかったのを覚えています。6泊の滞在でしたが、ウブド周辺のラグジュアリーホテルや小さなブティックホテルなど、ほぼ毎日違うホテルに泊まるという楽しみ方をしました。竹でできたオープンエアのホテルは、まるでアート作品のような空間でした。
バリ島は、いつも瑞々しい緑を感じられるし、ホテルのレベルもすごく高いので滞在が面白いです。1日中雨という日があったのですが、その日は「Mandapa, a Ritz-Carlton Reserve(マンダパ、リッツカールトン・リザーブ)」での滞在が素晴らしすぎて。小さな客室でも150平米以上あるので、現地に住んでいる友達を呼んで、部屋で食べたり飲んだりしたのも思い出に残りました。朝からヨガをしたり、フレッシュジュースを飲んだり……スパやプールの時間も最高です。
Q. 都市だけでなく、海辺や自然豊かな場所へもよく行かれるのですね。
自然もすごく好きです。大人になると、いろんなことに感動できなくなったり、感覚が鈍くなってきたりしますけど、自然が一番感動させてくれる気がしていて。国内外問わず、壮大な景色をみると、ものすごい感動しますよね。日本だったら、阿蘇の雲海を見た時の感動は忘れられません。
Q. そんな感動の旅を、もう一つ教えてください。
ずっと興味があって行ってみたかった、マダガスカルへの旅です。パリ経由で、さらに14時間もかかる遠い国で、飛行機の本数も少ないので2週間以上現地に滞在しないと戻って来られないような、長い滞在スケジュールでした。

マダガスカルは東アフリカの島国ですが、まだ経済発展をしている途中の国。インフラも整っていないので、生活するためには井戸に水汲みに行かなくてはいけないんです。子ども達が毎日何時間もかけて水汲みの往復をしなくてはならず、学校に行く時間もないと聞きました。そんな発展途上の島国では、なかなか教育が進まないのが現状のようでした。学校に行けない10代の子ども達が手に職をつけるための手段のひとつとして、パニエ編みがあるのだと聞いていて、私も現地でものづくりをしているブランドさんに、商品制作をお願いしました。少しでも雇用を生めれば、という思いがあったんです。

Q. マダガスカルでは、どのように過ごされたのですか?
首都は危ないので一人では出歩けなくて、街へ行く時はホテルの方についてきてもらいました。
本島の北に、ノシ・ベというリゾートになった小島があって、比較的安全だというので行ってみました。ヴィラタイプのホテルに滞在しましたが、部屋に大きな緑色のカメレオンが出たんです!さらに目の前を巨大なトカゲが歩いていたり、野犬もたくさんいましたし、動物はすごく多かったですね。植物も圧巻ですし、海の透明度も半端なく高い。マダガスカルで忘れられないのが、濃いオレンジ色の夕日です。あんなに赤くてすごい夕日を見たことがなくて、アフリカの夕日ってすごいんだなと実感しました。

この小島へは一人で行ったので、ホテルで働く少年に街を案内してもらったり、現地の人のお家にもちょっと入らせてもらったり、旅行で来ているドイツ人カップルと一緒に食事をしたり。私が一人というのもあり、予期せぬ新しい出会いがたくさんある旅でした。
Q. 次に行ってみたい旅行先はどこですか?
インドに一度行ってみたいと思っています。宝石だったり布だったり、何か仕事につながるような物にもたくさん出会えそうな気がしています。世界のどことも印象が違う気がするので、いつか行きたいなと思っています
My necessities
Q. 旅先に必ず持って行くものは何ですか。
  • 【ワンピース】
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    【ワンピース】

    パリ時代の出張先で、夕食時に皆がワンピースでドレスアップをする姿をみてマナーを学びました。南国に行くときにもワンピースは着たくて、旅先に合わせて日本で新調します。シンプルな黒のマキシワンピースを持っていくことが多いですが、南国となるとカラフルなものも一着欲しいですね。

  • 【ヘアアクセサリー】
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    【ヘアアクセサリー】

    現地で、ちょっとしたお出かけの時にクリップやアクセサリーを髪にさっとつけると華やかになります。前髪だけでも顔の印象がすごく変わるので、ヘアアイロンも持っていくことが多いですね。

  • 【お茶とサプリ】
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    【お茶とサプリ】

    漢方茶のすぐに溶けるスティックタイプのものは、よく持って行きます。旅先では体調やお肌の状態を崩してしまわないように、サプリメントも欠かせません。

Q.マルティニークのアイテムを旅先に持っていくとしたら、何を選びますか?
【ヘアクリップ、リボンシュシュ】別注で制作したベロア素材のヘアクリップとリボンシュシュです。ボリュームのあるデザインとベロアの上質感で、さっとまとめた髪も一気にオシャレに見えるので、旅先で使えるアイテムになると思います。
【レースパンプス】旅先ではたくさん歩くのでスニーカーやショートブーツを履いていることが多いのですが、素敵なレストランに行く時のために、きれいめな靴も必ず持って行きます。フラットシューズなら歩きやすく疲れにくいので、日中にも夜にも使えて重宝しそうです。
【カシミヤストール】飛行機内や室内で肌寒い時に重宝するのと、たくさん洋服のバリエーションを持っていけない旅先でも、ストールが一枚あるとファッションに変化がつけられます。
shuco

ヘアスタイリスト、TRESSE デザイナー

shuco

京都生まれ。へアメイクアップアーティストを目指して23歳でパリに移住し、ファッション業界で活動しながらヘアスタイリストとして独立。9️年間のパリ生活を経て帰国する。その後はパリと東京を行き来する生活を送り、現在は東京を拠点に活動している。ヘアアクセサリーブランド・TRESSE、ヘアライフスタイルブランド・SUMIDAYを主宰。

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